昨夜パソコンを立ち上げるとネットニュースで作家の伊集院静さんが亡くなった事を報じていました。
好きな作家で、「大人の流儀」から「続 大人の流儀」「別れる力」いずれも15万部突破の
ベストセラー全部読みました。
あんな格好いい「大人」になりたいと、憧れの人でもありました。
定かではありませんが、夏目雅子さんは、伊集院さんが「薔薇」という漢字を
万年筆でサラサラと書いたところに惹かれたとか・・なにかで聞いた事があります。
別れは終わりではなく、始まりである。
二十歳の時、十六歳の弟さんを(海難事故で)喪くした。
三十五歳の時、愛する妻を喪くした。
理不尽な別れに神を呪ったこともある。
酒に溺れ、無気力な日々を過ごした。
だが、いまならわかる。
出会えば別れは必ずやってくる。
それでも出会ったことが生きてきた証であるならば
別れることも生きた証しなのだろう、と。
伊集院静 「大人の流儀3」背表紙 引用
僕が伊集院静さんに魅力を感じるのは、ダンディーで知性にじみ出る出で立ちと、
ギャンブルや酒に興じる二面性、愛犬や弟さん、妻(夏目雅子さん)との別れを乗り越えて、
震災後の被災者に寄り添う真摯な姿。そんなところでしょうか。
人間が生きていれば、様々な理不尽なことが起こるし、なぜ俺だけが・・・
といったやるせない気持ちになることもあるでしょう。
なに、この人っていう信じられない人間との関係などなど。
平和な暮らしを脅かすアナーキーな人間が、家族や友人に絡んできたとき、悲しい人と出会った時、
どう行動するべきか? そんなときの道しるべになるのが「大人の流儀」に
書かれてあったように思います。
なかでも僕の心に残っているのは、「公共の場ではしゃぐな」という話。
例えば駅のホームで大笑いしてバカ騒ぎしている横には、子供を亡くして
悲しみの淵にいる人がいるかもしれない・・・と、そういった配慮ができないといけない・・・。
このくだりを読んだとき、これ見よがしにバカ騒ぎしていた若かりし日を想い出し
自分を恥じたものでした。
ギンギラギンにさりげなく、野球、ゴルフ、ギャンブル、酒をこよなく愛した 「本物の大人」の
ご冥福を心よりお祈りします。合掌。