
こんにちは、セトギワです。約3年ぶりに映画館(東宝シネマズ高知)へ足を運びました。
今回から61歳なので、シニア割引が使え、1300円(税込み)でラッキー。最後に映画を観たのは『トップガン・マーヴェリック』。
…あの“空の男たち”の熱に触れて以来、ようやく「心が動いた」作品が登場。
映画『エフワン』。奇しくもトップガン・マーヴェリックと同じジョセフ・コシンスキー監督・アーレン・クルーガー脚本の作品でした。調べてみると、ブラッドピットは同い年で、かつてレーシングカートを楽しんでいた点も共通していてワクワクしながら映画館に向かいました。
ブラピを同じ土俵で語るな!!と、お叱りの声が聞こえますが・・・お許しを^^

話がいちいちおっこう(おおげさ)な高知のおんちゃんです。
▼F1オタクが映画に求めるもの
僕は、いわば元祖F1(レース)おたく。小学生の時、「サーキットの狼」に脳天ブチ抜かれ、スーパーカー小僧を経て、その後レースおたくに昇華しました。当時、四国にはサーキットは無く、テレビでレースの放送も無い、たまにNHKの海外ニュースで、1分足らず「F1」の結果が放送される程度でした。
「情報」は、月に2回発刊される、三栄書房さんの「オートスポーツ誌」と、山海堂出版さんの「オートテクニック誌」のみ、全部買って毎月穴が開くほど読みこんで、レーサーの名前やマシン名はおろか、チーム監督やオーナーまで丸暗記する始末で・・・その情熱で勉強していたら・・・今頃はと、思いますが(笑)、その結果が、下記につながりました。
17歳(高校生)の時、オートスポーツ誌300号記念 「私にとってレースとは」という課題の小論文コンテストで421作品の中から「最優秀作品」に選ばれ、マカオグランプリ特派記者として同レースを取材、2号に渡り「観戦記事」を書いた経験があります。
それ以来、自称・モータースポーツジャーナリストを気取って、レース雑誌や新聞にいろいろ投稿していた時期もあり、鈴鹿4時間耐久オートバイレースに参加経験(85年予選落ち)もあります。
ノミの心臓ゆえ、レーサーの夢は早々に諦めたのですが、高知に帰ってからも、徳島ミニバイクレースやレーシングカートなどは40歳くらいまで楽しみました。
そんな僕がこの映画に求めていたのは――
スピード感でもクラッシュシーンでもない。
「F1(レース)を“知らない人”にも、なぜF1に“世界中のエンスージャストが熱狂し、病みつきになる”のが伝わるか」
レースに興味が無い層に少しでも刺さり、サーキットに足を運ぶ人が増えるといいなと、思いながら映画を観ていました。
▼"ネタバレNG"でも語れる3つの推しポイント
そこで今回は、ネタバレを一切せず、F1(モータースポーツ)初心者にも伝えたい「おすすめポイント」を3つに絞ってご紹介します。
①【音】…エンジン音じゃない。"間(ま)"の音とコントラスト。
F1映画と聞けば、ホンダV10やフェラーリV12の官能的な爆音を期待するでしょう?
でもこの映画の"音設計"はもっと奥が深い。タイヤが削れる音、風を切る音、ピットの無音の緊張感。
その"間(ま)"が、観る者をコクピットに座らせる。
バイクレース映画の金字塔「汚れた英雄」でも、スタート前の張り裂けそうな緊張感を「心臓の鼓動音」だけの静から、張り裂けるような2サイクルレーシングマシンのエキゾーストノートの動へのコントラストで表現し、観客を「自分がレースに出ている」感覚にさせてくれました。
②【画】…あの有名レースを、"主観"で追体験。
カメラワークが斬新でした。ドライバー視点だけでない、“臨場感の再構築”。
コースをなぞる映像に、感情のカットインが絶妙。
特定の名勝負や人物を知らなくても、まるでそのレースにいたかのような追体験が可能です。誰もが知る有名レースから始まり、
最後も・・・
特に過去の○○シーンは、実際に起こったショッキングな史実を描いています・・・書きたい・・・やめとこ(笑)
映画観てください^^ 古くからのレースファンは「あ~ね」ってなります。
③【脚本】…「史実+心理描写」の絶妙なブレンド
これも特筆すべき点。
単なるF1の歴史紹介ではなく、人間の決断・葛藤・美学にフォーカス。
だから、F1を知らない友人・家族を連れて行っても感動できる構成になっています。
先ほど述べかけて、ネタバレ注意でやめましたが、映画には一部、史実が描かれています。
映画にしろ、小説にしろ「ノンフィクションに、少しの史実を盛り込む」事で、その物語のリアリティーが爆上がりするものです。
「あ~、このシーンは○○がモデルだな」と、エフワンおたくは何度も膝を叩きました。
これは、トップガン・マーヴェリックでも脚本を担ったアーレン・クルーガー氏によるものなのか?また、出演者も聖人君子ばかりではなく、時に泥臭く、人間の心の闇や葛藤を見事に描いています。
ブラビのニヒルな演技力も際立っていて、若手チームメイトや、スタッフとのやり取り、心境の変化など、ヒューマンドラマが見ものです。
▼F1好きにも、全く知らない人にも刺さる映画
この映画のすごさは、僕のようなF1オタク愛を持った人にも、全く知識がない人にも刺さる構成を持っている点。
逆に言えば、
「F1がつまらない」と思っている人にこそ観てほしい作品です。
実を言うと、僕自身が最近のエフワンに興味が無くなっていた一人です。
地上波で放送が無くなったのもありますが、あまりにも高度でシステマティックになった現代のエフワンは、資金力のあるトップチーム以外が勝つことはまず不可能です。コンピューターAIで制御されたマシンを、ほぼ完璧な世界トップのドライバーがコントロールする・・・
昔は、雨になると○○が上位に来るというようなドラマがありました、アイルトン・セナが1984年 雨のモナコGPで、当時弱小といわれたトールマンで2位になり、レインマスターと呼ばれたようなドラマが現代は起こりにくいと感じています。
近年F1を観ていないので、あくまで「個人の感想」に過ぎませんが・・・
▼まとめ:映画館で観るべき「現代のF1グランプリ」
『エフワン』は、ただのレーシングドキュメンタリー映画ではありません。
音・空気・心理が交差する、まさに**"現代のF1を鋭く描写したしたお勧めの映画"**。
チーム内の微妙な人間関係、心理状態を細かく描いていて、エフワンに限らず、モータースポーツは「チーム戦」であることを再認識させられます。
オイルの焼ける匂いさえ漂ってきそうな迫力満点な作品ですから、本来は劇場で観て頂きたいのですが、もし、観られなかった方もオンデマンドで配信されたら是非一度ご覧ください。
サーキットで風を切る、あの瞬間を愛したことがある人なら――
心が少しだけ、熱くなるはずです。
僕は、終始興奮しっぱなしで、手に汗握り続け、最後は感動でうるうる泣きそうになりました。
上映期間は各映画館によって異なりますから、事前に調べてください。
いや~映画ってホントにいいものですね~
それではまた!にわか映画評論家 セトギワでした。さいなら さいなら