この記事は100あるいは90を切りたいアベレージゴルファーに向けて、スコアメイクに
大切な「クラブ選択」について書いています。今日のテーマは、ピンまで残り150ヤード
について考察してみます。
(アベレージゴルファー:18ホールを平均的なスコア100前後で回る人、以下アベレージ)
残り150ヤードと聞くと、さっと7番アイアンを手にするアベレージが多いと聞きます。
僕も以前は、「150ヤード、何も考えず、はい7番」でした。ヘッドスピードは42前後
だった時です。
アベレージが言っています。
ヘッドスピード40前後の人がスイートスポットで球をとらえられたら大体キャリーで
それぐらい飛ぶはずですが、芯で打てる確率は、実際どれくらいでしょうか?
僕の場合、7番アイアンで練習場の少々手前に入っても滑ってくれるマットからノン
プレッシャーで10球打って、キャリー140前後の会心の当たりは大体3~4球くらいです。
これがロフトの立った9番アイアンになると、6~7球は芯で打てるようになります。
7番より短くミート率が高くなるからです。
いくつになっても「飛ばしたい」のはゴルファーの性。僕も同じで気持ちはよく分かり
ますが、コースで好スコア出すためには、クラブ選択を考えてみる事をお勧めします。
いわゆるミート率がどれくらいなのか? 練習場やインドア施設などでデータを取って
みればミート率がわかります。
プロならほぼ毎回スイートスポット(芯)で打てますから、7番アイアンで大体1.4くらい、
上級者で1.3くらい、アベレージは1.2未満がほとんどでしょう。
簡易計測できる器具もあります。
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(150×3)+(130×5)+(130×2)/10=130
7番アイアンの平均飛距離は136ヤードという事になります。
ただし、その計算は、トップのミスでゴロゴロ転がったのも飛距離と計算しての数値
ですから、手前にバンカーなどハザードがあった場合はアウトです、本来はキャリーで
計算するのが正しく、そうすると、(150×3)+(130×5)+(100×2)/10=130
平均キャリー130ヤードとなります。
なのに、人に「7番アイアンの飛距離を聞かれると」、「だいたい150ヤード」と答えて
しまう。たまに出た会心のショットでグリーンをとらえた記憶で答えてしまいがちです。
ドライバーも同じことで、マン振りしてたまたま芯に当たって、ランも出て250ヤード
飛んだ記憶が、大体230ヤードと答えさせます。上記の10球平均を取れば、平均飛距離は
せいぜい190ヤードが関の山なのに・・・
練習場で150ヤードの目標物があれば、7番で10球打って、何球グリーンオンするか、
平均値をとってみると分かります。ナイスショットでほぼ150ヤード
キャリーが3回、当りそこねで130ヤードが5回、トップしてキャリー100ヤード・ラン
30ヤードが2回、アベレージはそんなところではないでしょうか?
自分のこと言っています。
シングルハンデの上級者にも「そういう答えをする」人がいます。ショット力はあまり無くても、
極論すれば、寄せとパッティングが上手ければ「ハンデ9」は可能ですから・・・
どこまでいっても、「飛ぶ」を捨てられない(笑)
でも、5下シングル(ハンデ5以下)や、プラスハンデの人は、大抵こう答えます。
「キャリー155、ラン5」という風に・・・アベレージに限らず、いくつになっても
「飛ばなくなった自分」を認めたくないのがゴルファーです。
正式な競技中は、同伴者に番手を聞くとペナルティーとなりますから聞きませんが、よく
プライベートコンペなどでは、同伴者が打った後に「何番で打った?」と聞かれます。
そんな時、150ヤードを7番で打ったと言いたいし、6番で打った場合は、「風がアゲてたからね」
と、聞いてもいない言い訳を付けて答えます(笑)
見栄張るくんが多いのです。
そんな背景があって、近年は低重心でストロングロフトの「飛び系」アイアンが良く売れて
いるそうですが、あまりに飛び過ぎて、アイアン本来の役割である、「決まった距離を正確に」
打つためのクラブでは無くなっていると危惧されています。
飛び系アイアン7番のロフト角は、従来の5番ほどのロフト角になっていて、低重心かつ
芯が広い設計ゆえ、HS40の人が軽く打てば、楽々150ヤードキャリーするのです。
ちなみに僕が普段使っているエースアイアンは、キャロウェイ・レガシーブラックという、
欧州チャンピオン、ヘンリック・ステンソン選手が長年愛用していたり、国内でもクラブ
契約の無いトップアマが使ったりしていた名器で、今でも程度が良い個体はネットである
程度の値段で取引されている人気モデルです。7番のロフトが34度、ちゃんと当たれば
キャリーで140~145ヤードです。
それに対して、思わず衝動買いした初心者向けのフルセットの7番はロフト角なんと
29度!(レガシーの6番とほぼ同じ)なので、楽々キャリー150ヤード飛び、しかもロフト角が
立っているので、ランも出て160ヤードは軽く飛びます。おまけに50g台の軽量カーボンシャフト
なので、余裕をもって振り、しっかりタイミングが「合ってしまうと」170ヤード以上も飛んで、
グリーン奥にこぼすことも何度かありました。
↑ 禁断の果実(笑)
飛び過ぎがいいのはドライバーだけですが、7番キャリーで軽く150~160飛ぶという
「禁断の果実」をかじってしまい、元に戻れない身体になりかけています(笑)
でも、これ、「そもそも7番って何ですか?」という話です。5番アイアンのロフトですから、
普通は170ヤードくらい飛んで当たり前で、これまでのアイアンでは、相当のヘッド
スピードとダウンブローに芯で打つ技術がないと飛ばなかったのですが、キャビティー
バックで低重心設計が可能になり、ステンレス素材の大型ヘッドでスイートスポットが
大きくなり、ソールは広くなった結果、5番のロフト角の7番というおかしな商品が生まれ、
前述した理由で「飛ばなくなったオジサンに飛ぶように売れる」ことになっているのです。
飛ばなくなって衝動買いしましたけど なにか・・・
こうなると、番手表示にはあまり意味が無く、「ロフト角表示にすればいいじゃないか」
という意見もありますが、27度 えーと、170ヤードが24度だから、えーとえーと
140ヤードが・・・と、なって現実的には無理です、ならば、国際的な規格を決めて、
例えば7番は32~35度まで等、決めればいいとも思いますが・・・
でも、そもそも150ヤードは7番って誰が決めた? という話ですよね。男性アマチュアの
平均的なヘッドスピード(ドライバー換算)は40前後のようで、その人がちゃんと芯で球を
とらえると150ヤードくらいの距離になり、それがベンチマークになっているんでしょうね。
また、時々いる口の悪い人に、7番で130しか飛ばねえの~?なんてからかわれた日
にゃあ、「飛ぶアイアンをくれ!!」ってショップに行く人の気持ちはよくわかります。
くどいですが、150ヤードは6番で打っても5番で打ってもいいんですよ、プロがよく
5番アイアンで風の下をくぐる、おさえたスティンガーショットなどを打ちます。
低弾道キャリーで110ヤード、花道からランで40ヤード転がしてベタピン!
また年配の上級者で、自分をよく知っている人が、バンカー越え、ピンまで150ヤードと
いった局面で、バンカー手前100ヤード付近に刻み、残り50ヤードから寄せワンでパー!
カッコイイですよね。
150ヤードなら5番ユーティリティーで、キャリー130、ラン20なのですが、キャリー130
ではバンカーに入るし、4番ユーティリティで直接グリーンをとらえると、グリーン奥に
こぼすことがわかっていて刻みを選択する。(己を知って戦っている)
仮に寄らずとも、きっちりボギーで上がる、一方、飛距離を過信するアベレージは、
当りの薄い7番アイアンでバンカーのアゴに刺さり、出すだけ、寄らず入らずのダボ。
一事が万事こんな調子で、いつまでたっても100前後をうろうろとしています。
最後に自慢話で恐縮ですが、「150ヤードの呪縛」回の締めに先日参加したコンペの話。
カシオワールドオープンが開催される黒潮カントリークラブで行われた某コンペ、
10番から3連続ボギー、3オーバーで迎えた13番 池越えショート、
ピンまで145ヤード パー3 トーナメント中継でもよく放送されるホールです。
その距離は大体7番アイアンで打つのですが、最近少し飛距離が落ちてきているし、
少し風もアゲていたので、6番で少し抑えた9割ショット、これがビシッと芯食って
大成功、ピン左1mにつけてバーディー
7番フルショットなら、ミート率も悪く、左に引っ掛けるか、手前ショートだったと思い
ますが、6番で9割が功を奏し、シャフトと両腕が一体化してしなりを感じ、芯でとらえた
最高の打感、最高の一打でした。
その日は、スタートの10番ロングから「OBを打たず、ボギーでよし」の謙虚なゴルフを
していて、3ホール連続ボギー(笑)の次に、神様がご褒美をくれました。そんなゴルフに
徹した前半は、大きなミスもOBも無く、久しぶりの好スコア、ハーフ42でした。
距離を欲張らず、1打目が深いラフなら無理にパーオンを狙わず、一旦フェアウェーに出し、
3打目でグリーンオン、上級者が普通にそうしているのに、無謀にも長いクラブでパーオン
狙っていたら、いつものハーフ50前後だったでしょう。
いちど、7番で9割ショット140ヤードを実践してみてください。突然 好スコアが出る
かもしれませんよ。
【まとめ】
・自分を知る、飛距離やクラブスペックで見栄を張らない。
・150ヤード7番と決めつけない、140ヤードをキッチリ打てるカッコよさ。
・練習場で自分の平均飛距離を出してみる、意外と低いと知る、コースではそれが基準。
・ストロングロフトの飛び系アイアン、カーボンで柔らかシャフトだとバカ飛び注意。
・飛んでなんぼはドライバーだけ、日本仕様の柔らかSシャフトにご注意を。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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