
NHK連続テレビ小説「あんぱん」は、その豪華出演者たちの名演技に大きな注目が集まっています。のぶを演じる今田美桜さんのネイティブ土佐弁は、演技とは思えないほどリアルで僕は高知県人だからよけい嬉しく、毎回楽しみに見ていますが、5月8日の放送は「神回」「朝から泣いた」「涙腺崩壊」とネットをざわつかせています。
この回の主役は、朝田家の次女、蘭子を演じる河合優美さんの演技があまりにも素晴らしく、大絶賛されています。突然プロポーズされて混乱する心を台詞にせず、行き場を失った指で髪をかき上げ戸惑う仕草で、愛する人と別れる切なさを表現しました。
河合優美さんは、TBSの大人気ドラマ「不適切にもほどがある」で、今回あんぱんで、やむおんちゃんこと、屋村草吉を演じる阿部サダヲさんと親子を演じていました。今思えば、あのときも、聖子ちゃんカットで長いスカート引きずった昭和のヤンキーネエちゃんが自然すぎて、「当時(昭和)の人」かと思って観ていました。 視聴者にそう思わせる、あの頃からすでに名女優の片鱗を見せていたのですね。
あのドラマは、タイムスリップして未来(令和)に来ていた阿部サダヲさん演じる教師 市郎と、河合美優さん演じる娘の純子は阪神淡路大震災で別れる将来?を知るという切ない物語で・・・泣き笑いして見たものでした。その時のエッセー記事
阿部サダヲさん、あんぱんでは、「ジャムおじさん」を彷彿とさせる「やむおんちゃん」を演じていて、のぶたちの父が病死し、朝田家の皆が悲しみの淵にいた時には皆にあんパンを振る舞い、なぐさめ、朝田家の仲間入りをしています。
豪(細田佳央太さん)の出征を祝う壮行会の席で、「今度の戦も勝たあよ」と軽口を叩く人に向かって、「黙れ団子屋!! 勝とうが負けようが兵隊は虫けらのように死ぬんだよ」と怒鳴ったやむおんちゃん
その後、険悪なムードになって「まあまあ、めでたい席じゃき」と制する人に対しても、「殺し合いにいくのに何がめでてえんだ!!」と噛みつきます。
阿部サダヲさんって不思議なんですよね、そのキャラが、どの番組の役であっても、同じキャラだと感じるのに、その役にピタリとハマっている。いい加減で、適当で、雑な人間かと思えば、凄く繊細で深い愛情と思いやりがある昭和のオヤジを演じれば、マルモのおきての護(まもる)も、ふてほどの市郎も、あんぱんの屋村(やむおんちゃん)も「同じキャラ」だと感じるんです。
豪が朝田家の皆に礼を述べる最中、やりきれなさに席を蹴ったやむおんちゃんの演技にも胸が詰まりました。
ラストのプロポーズシーンは、歴史に残る名演技でした。
いいドラマです。還暦を過ぎると、感情移入してすぐに涙腺崩壊します。豪ちゃん、絶対に生きて帰ってきいよ。
ほいたらね