ゴルフボールで車を叩いたと、世論に叩かれまっくたけれど、ユーザーの僕が感じたBMはとてもいい印象だった経験談。
師走になって何かとあわただしく気持ちが焦ってきますね,永田町ではキックバックで大騒ぎしていますが、数か月前まではビッグモーター(以下BM)が、保険金不正請求や街路樹の問題で、それこそ寄ってたかってゴルフボールより強い言葉で叩きまくられました。火のないところに煙は立ちませんから、一定の事実はあったのでしょう。
先日のTHE MANZAI 2023のオープニングでは、ビートたけしさんが、ビートモーターだよ!って言いながらゴルフボール入り靴下でその辺叩きながら「ノルマきつくてよお」なんてイジり倒していて、思わず笑いましたが、僕のBMに対する印象は、とてもいいのです。
僕が初めてBMで車を買ったのは、約2年前、中古車検索サイト「グーネット」からの偶然の出会いでした。仕事が変わり、自家用車が必要になった僕は、かねてから欲しかった「マツダ・アテンザ」の中古車を検索し、膨大な数の中からグレードを絞り込み、僕の予算(仕上げて200万円以内)で一番気に入ったのが、福山店にあった9年落ち走行3万キロの極上車(現在の愛車)でした。
下見を予約すると、若い営業スタッフNさんから丁寧に道順や目印など案内電話がありました。ナビに入れたら分かりますが、親切です。下見当日、ショールームに入ると、スタッフの皆さんが大きな声で「いらっしゃいませ」と、気持ちよく迎えてくれ、試乗したいと申し出ると、外では出来ませんがといいながら場内で試乗させてくれました。
下見は必要ですが、事前に「グーネット」で詳細な数十枚の写真(たとえばタイヤ・ホイールの1本1本までアップ)を見ていたので,相当程度がいいことは何百台も査定した新車セールス時代の経験から分かっていました。9年落ちですが車両の程度は抜群でした。
エンジンルームを開けてもらい、隅々まで携帯のライトで覗いてみます。ここは元ディーラー営業の癖で、不自然に新しいネジ類や塗装のムラ、そこだけ新しい部品などの有無を確認しますが見当たりません。事故歴は無さそう合格です。(実はセールス時代、1度だけ事故車を掴まされた苦い経験があります。)
おそらくワンオーナーで、車庫で大切に保管され、休日に時々走らせていたのでしょう、9年で3万キロですから、年間3千キロ程度の走行です。外観はピカピカ、内装も皮シートのヘタリや、ダッシュボードの色あせひび割れ、皮ハンドルの爪跡もありません。エンジンはディーゼルゆえ、始動直後には多少カラカラ音はするものの、動き出せば気になるレベルではありません。
ここで、僕の購入意思は確定しました。が、そこですぐに「買います!」と言わないのは、セールス時代に学んだ購入テクニックのひとつです。「いかがですか?」とNさん、「いいですね」と僕。そして、ショールームで商談開始。まず、率直に値引き交渉です。「169.9万円ですが、いくらか値引きしてくれませんか?」「最安値で出していますから、値引きは厳しいです・・・」「160万なら今日決めますよ」と振ると、Nさん、上司のところに行きます。
頭掻きながら帰って来たNさん「すみません、現金の値引きはできません」僕はもう 「買う気」ですから、「わかりました」と返答。値引き交渉すること自体「購入意思あり」と、BM側も踏んだのでしょう、おそらく駆け引きして、「引いてくれないのなら見送ります」「そうですか今回は残念です」のやりとりで終わりでしょう。
結局、オイル交換永年無料会員に入り、ワックス不要コーティングで7万円くらい、登録諸経費(車庫証明などは自分でやる)その他で、200万円ジャストで契約しました。最終的に、車庫証明も代行してくれ、希望ナンバー取得費用もサービスしてくれました。
納車は、四国の家から福山まで非番の息子の車で、家内と3人で引き取りに行きました。コーティングされ、まるで新車のような輝きのアテンザに感激し、喜び勇んで帰ったことを昨日のように思い出します。
2月に納車となったアテンザですが、8月には早速車検です。当時、僕の住んでいる地域には買取専門のサテライト店しかなかったのですが、8月に工場完備の新店舗ができるのが微妙なタイミングでした。購入した広島県福山店からは何度か車検の案内がありましたが、当時僕は自宅から60キロ離れた勤務先に単身赴任中でしたから、代車が必要ですし、福山から車載車で代車持ってきてもらい引き取って、車検終わって持ってきてもらうには、あまりにも経費が掛かりすぎます。(片道約230km)電話で概算見積もりを依頼しましたが、法定諸費用は値段が決まっていますから、それを差し引いても相当安い金額提示がありました。(元プロですから分かります)
今にして思えば、「車検の売上ノルマ」だったのでしょう。「安くても数をこなして、車検売上を上げる」ためには、経費が掛かるのはやむを得なかったのでしょう。BMがバッシングされてる当時、ネットに書かれていたのは、ある店舗で、安く車検を受注しておいて、「どこそこの部品が劣化しています交換しないと重大な事故につながります」と、顧客の不安感をあおり、不必要な部品交換をしていたそうですが、僕の車検時にはそんな事はありませんでした。
車検時、福山店から車載車で代車(軽自動車)を運んで来てくれ、メカニックさんが、今回の車検で行う交換箇所など説明してくれました。安くしたいので、「最低限の部品交換を希望」と伝えました。感心したのは、当時僕が単身赴任していた場所は、河口の海沿い(常に潮風が吹く劣悪な環境)だったのですが、「こちらは潮風の影響を受けそうですが、シャーシブラック(車体下回りのさび止め塗装)は1万円程度ですがいかがですか?」と、状況を察して的確な提案をしてくださった事です。概算の金額も提示してくれましたから、安心してお願いしました。
後日、またそのメカニックさんが遠路はるばる車載車で納車に来てくれ、どこそこの部品交換をしましたと、ちゃんと説明してくれ、「シャーブラ」も確認させてくれました。これまでの対応にとても満足していた僕は、あらかじめ購入していた地元で人気のお土産(お菓子)と 缶コーヒーを進呈して車載車を見送ったことでした。
その後、自宅近くのバイパスにBM新店舗がオープンし(上の写真)、以後オイル交換はそこで行うようになったのですが、2022年8月福山店引き取り車検から1年後の2023年夏、例の大問題が発覚し、大騒ぎになったのでした。
僕にとっては、オイル交換永年無料会員にもなっているし、車については「終の棲家」ならぬ「終の棲カー」の気持ちですから、BM社とは末永くお付き合いしたいと思っていた矢先に降ってわいた「醜聞」に言葉を失いました。
感じの良かった担当営業Nさんは、僕が購入して数か月で退社していて、事実関係を聞きたくても聞けませんでしたし、ネットニュースでは連日、過酷なノルマに追い詰められて、交通事故で亡くなった若き店長さんの記事や、あの副社長のLINEメッセージなどなど、すでに報道されている内容は割愛しますが、もうBMは立ち直れないなと感じていました。
もう、オイル交換も無料では出来なくなるだろうし、これから車検はどこに頼もうか?と、 考えていました。そのころ、友人知人に会うと「これ、BMで買ったんだよ」と自虐ネタかますと、鉄板ネタみたいに失笑されました(笑)。
このままフェードアウトするか・・・いままでどうり近所の新店舗に行ってみるか、悩んだ挙句、何食わぬ顔でオイル交換しに行きました。いつもは家族連れで賑わっている土曜日の午後なのに、客は少なく、心なしか社員の方々も元気が無いような空気で・・・大丈夫かな(-ω-)オイル交換を頼むと、女性の受付さんが快く手配してくれました。費用はもちろん無料です。
作業の状況は、問題発覚前からですが、ショールームからメカニックの一挙手一投足まで見ていますから「ちゃんとした作業工程」が確認できます。この時は、エレメント(フィルター)も交換したので、若いメカニックが、これを交換しましたと、古いエレメントを示してくれました。「いろいろ大変だけど頑張ってね」BM愛から自然に出た言葉でした。「ありがとうございます」と、少し恥ずかしそうなメカニック。
そんなやり取りして店を後にしました。新店舗で採用されて頑張っていた彼らは、オープン 1年足らずで、報道やネットで会社が叩かれるのをどんな気持ちで見ていたのか? 再就職先を模索している人もいるだろうなどと、想いを馳せました。「頑張れみんな!」
この先、BMはどうなっていくのでしょう、とんちんかんな対応の前社長と雲隠れ?の副社長が経営から身を引くことを条件に財閥系企業が買収に意欲をみせていますが、報道を見る限り、すでに前社長親子は「資産管理会社」で有り余る資産をどう運用するかで生計をたてているようですから、BM社を売却しようが、あまり腹は痛まないのでしょうか?しりませんケド
個人的には、社員を恐怖政治で追い詰め、あのような行為に手を染めさせ(事実は知りません)、「死刑死刑死刑死刑死刑」LINEや、除草剤を指示したであろう前副社長が、会見にも出て、謝罪すべきだったと強く思いますし、今からでも顧客と社員には正式に「謝罪」の場を設けるべきだと思います。(名探偵コナン君に探してもらいましょうwww)
前社長を慕ってBM発展に寄与し、重責を担った新社長には頑張ってほしいと思っています。広島の任侠映画に出て来そうな「侠気」タイプな新社長は、社員からの人望は厚く人気があるそうで、会見で見せた「社員が築きあげたお客様との信頼関係」のくだりで見せた涙は本物だと僕は感じました。
あれほどの店舗にあれほどの優秀なスタッフを配置して、そのまま沈んでいってほしくないと強く願っています。「再生再生再生再生再生」